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Google Pixelのカメラは本当に良いのか?テクニカルレビューしてみた

Pixelの発表会でGoogleが紹介していた特徴の1つとしてスマホ史上最高のカメラという点が挙げられていました。これはカメラの性能評価を行うDxOMarkのモバイルスコアにおいて当時スマートフォン最高のスコア89点というスコアを叩き出したことから挙げられています。グーグルピクセルのカメラがどれほど優れているのか、(辛口に)テクニカルレビュー。

カメラのセンサーはソニー

12.3M画素のSONYセンサーIMX378を搭載。ピクセルサイズは1.55マイクロメートルで大きめなので、より多くの光が取り込めてノイズが少なくなります。センサーを作ってる大きな会社はソニーサムスン、Omnivision、On Semiconductor(旧Aptina)で、今のところソニー製が一番高品質(+高価)。なのでいいカメラはだいたいソニー製のセンサーを使っています。ニコンソニーセンサー。iPhoneのカメラセンサーもソニー製ですが、IMX378のような既製品ではなくアップルはソニーから特注しています。

HDR+とは?

一般的なHDRモードは本来、明るい屋外撮影時、特に高ダイナミックレンジのシーン(=直射日光が当たり、日影ができるような明暗の差が激しいシーン)で作動します。
露出を変えて通常3枚の画像を撮影し、暗い画像から明るい部分、明るい画像から暗い部分をとってきて合成することで白とびや黒つぶれをおさえます。

HDR画像の例

参考:www.cambridgeincolour.com/tutorials/high-dynamic-range.htm

一方グーグルが謳っているHDR+は明るい屋外撮影時だけでなくローライト(暗い条件)撮影時にも作動します。ローライト撮影時は露出は同じですが、シャッタースピードを短めにして手ぶれを抑えつつ、一度に何枚も撮影、合成してノイズを減らします。これは革新的!と書かれている記事が多いですが、呼び方が違うだけ(一般的な名称はフレームスタッキング)で他社も同じようなことをやっています。

こちらが屋外撮影時のHDR+の比較画像。HDR+を作動させると空がより青く、建物の下の陰や木が明るくなっているのが分かります。

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こちらはローライト撮影時のHDR+の比較画像。ノイズが格段に減っています。

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レンズぼかし

ピクセルはグーグルのカメラアプリがデフォルトで使われているので、面白い機能が高品質で使えます。自分のお気に入りは「レンズぼかし」の機能。「レンズぼかし」モードで撮影すると、そのままカメラを上に動かすように指示されます。カメラの場所を変えて撮影することで、被写体との距離を推定して後でぼかしの量や範囲も調節できるようになります。デュアルカメラがついているiPhone 7 PlusやHuawei P10をわざわざ買う必要がありません。たまに合成失敗しますが、十分使える範囲。ちなみにグーグルのカメラアプリはアンドロイドのスマホならどれでもPlayストアからダウンロードできます。

こちらがレンズぼかしモードを使ってみた比較画像。撮影後、違う場所にフォーカスを移せて楽しい。

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iPhone 7 PlusGalaxy S8+にも負けず劣らず

Pixelの値段はiPhoneやGalaxyよりも割安にもかかわらず、両者に負けず劣らずの画質。最後のシーン(一番下の行)でPixelの画像はHDRのハロー(halo:明暗差の激しい輪郭周りに現れる発光しているように見える部分)がちょっと気になる感じ。ハローは遠目で見るとよく分かります。

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ローライトでも遠目で見れば悪くないです。

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ちょうどいい露出

Pixelのローライト撮影時の露出はすごく良いです。iPhone 6Xperia XZ Premium、Xperia Z5と比べてみた結果がこちら。ディテールもちゃんとありつつ、ノイズも少なく、露出も好ましい明るさ感。

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ホワイトバランス

Pixelでイマイチだなと感じるのがホワイトバランス。例えばこちらの比較画像ではPixelだけ土の赤みが消えてしまっています。こういったシーンでは、土の暖色が照明に起因する色だとカメラが勘違いして順応してしまっています。

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似たような現象で、街路樹のシーンでは、Pixel(左側)は全体的に赤みがかっています。これをPhotoshopで補正した結果が右で、木の幹、壁の色、土の色を見ると違いが良く分かります。

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こちらも同じく、空の色に順応してしまってPixelの青色が薄くなっています。一方Galaxy S8+は色鮮やかな夕焼け。(やややりすぎ感はありますが)

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Google Pixelの購入方法

iPhoneやGalaxyにも引けを取らないPixelのカメラですが、SIMフリーGoogle Pixel(32GB)は$649とかなり良心的な値段。残念ながら2017年現在もPixelは日本未発売となっています。ですが、日本から購入して日本で使用する方法はいくつかあります。ちなみにGoogle Pixelにはアメリカ版とグローバル版があり、対応帯域が若干違うだけで両方日本で使用可能です。気になる方はETORENの海外SIMフリー携帯ネットワークチェックをでチェックしてみてください。

アマゾンで購入

並行輸入品が販売中。色や容量の選択肢があまりないのが残念。

ETORENで購入

ETORENは海外の家電やガジェットが専門の販売サイト。アマゾンよりもちょっと安めの価格設定。

アメリカのGoogleストアで直接購入+個人輸入

最後はハードル高めですが値段を抑えられます。アメリカのGoogleストアにVPNを使ってアクセスし、直接購入。その後、個人輸入サービス(約25ドル)を使って、アメリカ国内に発送されたものを日本に転送してもらうという手法。Nipponomiaで非常に詳しくまとめられてますのでご一読あれ。

nipponomia.com