ガジェットおたくのレビューブログ

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書評:池上彰の「伝える力」

池上彰の伝える力、もう10年くらい前の本ですが、未だ価値ある本です。めちゃくちゃ簡単に要約すると、分かりやすく物事を伝える方法、文章力のつけ方、プレゼンなど聞いてもらうためのポイントなどが書かれています。読んでみた感想をつらつらと。

一番自分的に良かった点が、

物事を学ぶときに、全く知らない人にどう説明したらいいか意識すると、理解が深まる。そして、深く知っていなければ相手に伝わらない。具体例として挙げられているのは「日銀とは何か、を子供に説明する。」日銀を辞書で引いてそれを読んでもいまいちピンとこない、教科書通りの説明では伝わらない。

 

んーなるほど確かに!と思いました。そして似たような経験をしたのを思い出しました。

先生が物理を教える時、普通は教科書に沿って、方程式などの基礎から入って徐々に応用をしていくと思います。しかし、僕の中学にすごく教えるのが上手な物理の先生がいて、その人はいきなり具体的な応用例から入っていきます。すごい特徴的な教え方でしたが、今思うとその先生はめちゃくちゃ物理を理解してたんだなと。
僕も多少塾講師的なことをしていたので分かりますが、その式が何の役に立つのか、今までの自分の経験とどう関係しているのか、そういうのが分からないと子供(特に勉強が苦手な子供)はすぐに興味がなくなってしまいます。具体例から入ることで、抽象的な方程式がいかに現実世界で役に立っているのかが関連づけられて、結果的に理解が深まります。子供も聞く耳を持ち、結果的に「伝わる」ようになります。

あと、読んでみて、池上さんは本当にその道のプロという印象を受けました(実際そうですが)。若い頃からいかに難しいことを簡単に説明するかを考えて努力してきた結果が今の池上さんなんだなあと納得。まとめサイトのような他人の受け売りではなく、自分の経験に基づいた話は面白いし説得力があります。皆様も是非ご一読あれ。