16眼カメラ「L16」がついに出荷、フル解像度画像公開
カリフォルニア州Palo Altoにあるスタートアップ、Light.coが開発中のカメラ「L16」が2017年7月14日についに出荷開始しました。
だいぶ気持ち悪いエキゾチックな見た目ですが、カメラモジュールを16個も搭載し、コンデジやスマホサイズながら画像処理で一眼レフ顔負けの画質やエフェクトをつけよう!というのがコンセプトのカメラです。開発期間は4年にも及び、当初は2016年に発売予定だったのが何度も発売延期になりました。今回ついに販売開始とのこと。
LightのL16はいわゆるライトフィールドカメラやコンピューテーショナルフォトグラフィーを駆使する部類のカメラです。iPhone 7 Plusのデュアルカメラで背景をぼかすのもコンピューテーショナルフォトグラフィーの一例。ライトフィールドカメラで最初に一世を風靡したのはLytroというスタートアップ。2012年に世界初のライトフィールドカメラ(撮影後にピントを変えられるカメラ)を発売しました。ちなみにアマゾンでも売ってます。
もう一つの競合他社はPelican Imaging。こちらはスマートフォン向けにコンピューテーショナルフォトグラフィーができる多眼センサーを開発していましたが、残念ながら2016年に事業を畳んでしまいました。ビジネスモデルとしてはLytroもPelican ImagingもLightも成功例とは言い難いですが、こういう会社がすぐに作られて数年で商品発売までしてしまうのがアメリカっぽいですね。
L16の特徴とは?
L16は16個もカメラモジュールがついているので普通のカメラではできないようなことができます。簡単にまとめると、
Light L16のフル解像度画像
こちらがLightが公開した3枚のフル解像度画像。(フル解像度の画像は公式ページからダウンロードできます。)解像度がすごくて、おじさんの画像は10,400 x 7,792で81メガピクセルもある巨大画像。
画像を4倍ズームしてみた結果がこちら。4倍もズームしてるのにめちゃくちゃ鮮明です。
しかし、ちょっと粗探しをしてみると、、、発見しました。船の画像の草の部分にズームしてみると、鮮明な部分とぼやけた部分が混在していて不自然な感じになっています。10枚以上の画像を合成しているので草のようなディテールが細かい部分(高周波なエリア)は合成しずらいのです。
しかも、公開されているのがかなり好条件で撮影されたこの3枚なので、夜景などチャレンジングなシーンはきっとまだまだ上手くいってないんじゃないかなと推測します。
値段
価格は強気の$1,699、高い。。けっこういい一眼レフが買えてしまう値段。ユニークなカメラであることは間違いないですが、売れるのかなあ。
薄めのボディに焦点距離が長いカメラモジュールを搭載するために独自にモジュールを開発し、16個のカメラモジュールからの画像を処理するために独自に画像処理エンジンを開発し、撮影後の画像を編集できるように独自にアプリを開発してるので相当なコストがかかっていることは確か。技術的な問題も相当あったことでしょう。
何はともあれすごいカメラなので是非購入した方のレビューが見てみたいですね。(未だに商品を受け取ったという方を発見できていないのですが。)