スマホが一眼レフを超えるとき。Galaxy S8+のカメラレビュー
Galaxy S8やS8+のスマホとしてのレビューはすでにいくつかあるので割愛して、今回はカメラに注目。ソニーの高級デジカメRX100M3とモトローラのMoto G5 Plusと比較してみました。Galaxy S8/S8+は日本ではまだ公式には発売されていませんが、アメリカなどですでに発売中なのでAmazonでは輸入品が販売されています。(自分も仕事柄早めに実機をゲットできています。)
ちなみにレビュー記事はこんな感じ。
一眼レフやコンデジにはまだ勝てない?
近年のスマホの進化は著しく、カメラも同じくすごい勢いで高性能になっています。ふつうのシーンでは多くの人にとってすでに大差ありません。しかし、未だ一眼レフやコンパクトデジタルカメラがスマホより優っていることが以下の2点。
レンズによる「ぼけ」
ぼかすことが出来る=被写界深度が浅くできるレンズなんですが、これにはレンズからセンサーまでの距離が長い必要があります。スマホは厚さ何ミリという制約があるので物理的に距離を長くすることが難しいのです。最近のスマホのカメラがちょっと出っ張ってるのは少しでも距離をとりたいから。
スマホメーカーはすでにこの「ぼけ」効果を人口的に作り出そうと努力していて、それがiPhone 7 Plusなどでおなじみのデュアルカメラです。大まかに言うとどのメーカーもやっていることは同じで、2つのカメラの視差から物体の距離を推定して、被写体と背景を分けて背景をぼかしてます。個人的にはこれはまだ未完成の技術で、高級レンズの自然なボケを出すにはまだまだ改良が必要な段階。
例えばこれはiPhone 7 Plusのポートレートモードで撮影した画像ですが、髪の毛の部分をよく見るとぼやけさせるのに失敗しています。実際髪の毛のような境界線がぼんやりした物体ではデュアルカメラの距離推定がうまくいかないのです。ちなみにレンズの「ぼけ」効果は英語でもBokehといいます。
iPhone 7 Plusの話はこちらに詳しく書いてます。
ローライト(夜景)撮影
光量が少ないところでの撮影はスマホが特に苦手なところ。センサーに入ってくる光量が少ないとノイズが増えます。十分な光量を確保するために露光時間を増やすと手ブレしやすくなります。ノイズを減らすためにスムージングしたりするんですがそうすると鮮明さに欠けたりして、結局ローライト撮影時は画質が悪くなってしまいます。画像センサーを物理的に大きくすれば解決するんですが、これもスマホのサイズ的に制約があるのが現状。
最近のスマホではローライト撮影時はフレームスタッキング(一回のシャッターで何枚も撮影したものを合成してノイズを減らす)というのが行われていて、これでノイズの軽減をしています。(フレームスタッキングにも副作用がありますがこれはまた別の機会に。)Samsungスマホのカメラで特にすごいのがローライト撮影時の画質です。iPhoneや他のスマホとは比べ物にならないくらいノイズが少なくそれでいて輪郭はシャープ。
Galaxy S8+、SONY Cybershot RX100M3、Moto G5 Plusのローライトを比較
というわけでいよいよカメラの比較。比較対象は高級コンデジで常に人気をキープしているSONYのCybershot RX100M3、モトローラの最新機種Moto G5 Plusです。Galaxy S8+のローライトがいかにすごいのか、チェックしてみました。
まずはこちら。Moto G5 Plusはちょっと暗めでディテールが失われてます。一方GalaxyとSONYは鮮やか&シャープ。Moto G5 PlusはGalaxyより3倍くらい安い(!)ので当然といえば当然ですが。
次はこちらのプラント。遠目からだと分かりにくいですが、なんとSONYよりもGalaxyの方が鮮明です。
最後に夜景ショット。スマホなどで見ると小さくなってあまり違いがわからないかもしれません。
しかし拡大して比較すると、Moto G5 Plusとの差は一目瞭然。Galaxy S8+は鮮明さ、鮮やかさ、ノイズの少なさ、どれもSONYの高級コンデジと同等レベルです。
サムスンの中の人ではないので推測ですが、夜景がこんな綺麗に撮れるのは光学式手ぶれ補正と高速なフレームスタッキングのアルゴリズムのおかげだと思われます。
まとめ
スマホのローライトは一眼レフやコンデジと比べるとまだまだ、、、と思っていましたがGalaxy S8のローライト性能は予想以上。アップルも次のiPhoneでデュアルカメラの性能をもっと改善してくるでしょうし、これはスマホカメラが一眼レフを追い越す日もそう遠くない気がします。